いざ全国へ!群馬県醸衆会の取組

いざ全国へ!群馬県醸衆会の取組

群馬県醸衆会の取組を潜入取材

3月24日、群馬県醸衆会による「吟醸酒品質研究会」の取組を取材してきました!

醸衆会の取組は、取材させていただくたびに、「群馬の地酒」酒蔵の本気度の高さに衝撃を受けます。

いやー本当に凄い。
今までも「凄い」と思っているのですが、毎回、加速度的に凄さを実感します!

群馬県内の酒造りの職人集団「醸衆会」

群馬県醸衆会(じょうしゅうかい)は、酒造組合や県などとは別の組織で、群馬県内の酒造会社の蔵元、蔵人による組織となっています。

蔵元だけでなく、各酒蔵の造り手である蔵人も含めて、酒造りについてフラットに研究を行いながら、群馬県内の酒造技術の研鑽を行っていることが特徴です。

目指せ「全国新酒鑑評会」金賞受賞!

毎年、国税庁(酒類総合研究所)による「全国新酒鑑評会」が開催されています。
5月に結果が発表され、「金賞を受賞した」「入賞した」というニュースが話題となります。

群馬県酒造組合でも、その前哨戦的な位置づけで3月に「群馬県清酒品評会」が開催され、先日、結果が発表されたところです。

全国新酒鑑評会への出品酒の提出期限が今月末(3/29AM必着)と迫っており、群馬県醸衆会では、 毎年、この時期に、全国に向けた取組「吟醸酒品質研究会」を行って、各蔵が全国新酒鑑評会に出品するお酒の選定に一役買っています。

「吟醸酒品質研究会」の内容

今回の群馬県醸衆会品質研究会の内容は、全国新酒鑑評会に出品するお酒の候補を研究会に出品し、審査員による審査を行って、その審査結果のフィードバック、そして、審査員からの個別指導を受けるというもの。

群馬県清酒品評会との違い

つい最近、群馬県酒造組合で品評会を開催したのに、また同じようなことをやっているのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

かく言う私自身、「全国に向けて、複数回にわたってチェックして出品酒を選定している」くらいにしか思っていませんでしたが、よくお話を伺うと、現場を拝見すると、全然、違いました。

群馬県清酒品評会は、もちろん、全国新酒鑑評会に向けた前哨戦ではあるのですが、あくまで、「群馬県での清酒の品評会」であり、3月にその場で審査した結果による品評会です。

全国新酒鑑評会は、3月末に出品酒を酒類総合研究所にある広島に送り、審査が行われるのは4月末から5月上旬になります。

日本酒は非常に繊細なものです。要冷蔵で流通、保管されていたとしても、わずかながら、その状態は変化していきます。

つまり、3月末に発送する段階のタイミングで、4月末から5月上旬に審査される段階で最高の状態になるものを選定しなければなりません。

そして、全国新酒鑑評会に出品できるのは、各蔵、醸造場につき、1点のみなのです!

群馬県清酒品評会では、4点が出品されていました。

各酒蔵は、群馬県清酒品評会での審査結果を参考にしながら、更に、群馬県醸衆会吟醸酒品質研究会で、審査していただいて、アドバイスを参考にしながら、出品する1点を選定することになります。

本気度マックスの審査

この研究会に出品できるのは1製造場あたり3点以内。

審査方法も、全国新酒鑑評会での審査方法と同じ方法で審査されます。
会場の室温も近い状態に!

招いた審査員は、関東信越国税局の鑑定官から群馬県や近県の酒造関係の公設試験研究機関の専門家、更には、県外の大手酒造メーカーの技術者まで。

ここまで豪華な審査員を招いていることがすごくてビックリです!

群馬県外の全国の酒蔵も参加

この研究会に出品できるのは、群馬県の酒蔵だけではありません。

この点も、群馬県醸衆会による取組の特徴ですね!

他県にも門戸を開いて、この機会を活用してもらう。

群馬県の酒蔵としても、他県の酒蔵の出品を受け入れることで、群馬県内だけは分からない今年の傾向などにも触れることができる。

まさに交流試合。

群馬県内からは、13場、38点が出品、

県外からは、26場、54点が出品されていました。

群馬県近隣ばかりではありません。
山形、新潟、栃木、茨城、埼玉、京都、和歌山、兵庫、愛媛、岡山、広島、福岡、佐賀。
過去に全国新酒鑑評会で良い成績の蔵ばかり。

全国から群馬に引き寄せる力がこれほど凄いとは思ってもみませんでした。

それもこれも、群馬県の清酒技術を上げていきたい、評価を高めていきたいという群馬県の酒造関係者の皆さまの熱意によるところなのだと思います。

白熱する個別指導!

審査員ごとの点数は会場内に掲示され、すべての出品酒の評価結果が、全員に共有されます。

全92点の出品酒する審査員の皆さまも、本当に凄いです。

全92点の出品酒に対して、各審査員による一言コメントがまとめられた資料がコチラ!

審査結果を踏まえて、各蔵は、各審査員に個別にアドバイス、指導を受けに行きます。

各審査員がテーブルに配置され、各蔵は後ろで順番待ちをしながら、それぞれに5分~10分、意見を聞くことができます。

皆さん、本気モード全開で、白熱した雰囲気でした!

私なんかが入ってはいけないようなピリピリとした雰囲気を感じましたが、醸衆会の現会長である島岡酒造の島岡さんから特別に個別指導の様子にも同席させていただきました!

短い時間の中で「どういった理由から今回の審査評価になったのか」「この点で迷っている部分があるが、どう思うか」など伺い、審査員からも、造りの工程について「この工程は何日間だったのか、どのくらいの程度で行ったのか」など非常に細かい点までヒアリングが行われ、意見交換が行われていました。

審査員の皆さんも、その腕が試される「本気と本気のぶつかり合い」だなと感じました。

この個別指導を踏まえて、全国新酒鑑評会への出品酒を選定されるだけでなく、次の酒造りに向けた様々なヒントを得ようという姿勢をものすごく感じました。

このような日々の研鑽が「群馬の地酒」を美味しくしているのですね!

今宵も「群馬の地酒」でカンパイ!

皆さんの取組の成果として、今年も、良い結果になることを祈念して、乾杯!!

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